スペインサッカー育成年代におけるカテゴリーとリーグ

スペインサッカー育成年代におけるカテゴリーとリーグ

¡Hola! こんにちは。

スペインでは育成年代の早い時期からプロを意識した環境作りやシステムを取り入れ、日々サッカーをしています。

日本とは違ったカテゴリー分け、さらには小学生からリーグ戦で争う環境。

スペインならではのサッカーの取り組み方や育成年代のシステムを紹介します。

スペインサッカーの育成年代

日本サッカーの育成年代は園児から始まりU-7、U-8と続くようにカテゴリー分けされていますが、スペインでは2歳ごとにカテゴリー分けされています。

スペインサッカー育成年代のカテゴリー

スペインサッカーの育成年代では小学生以上で見た場合、6つのカテゴリーに分かれています。

Prebenjamin(プレベンハミン)

プレベンハミンは小学1年生と2年生年代。7歳から8歳のまでのカテゴリー。7人制サッカー。

Benjamin(ベンハミン)

ベンハミンは小学3年生と4年生年代。9歳から10歳までのカテゴリーです。7人制サッカー。

Alevin(アレビン)

アレビンは小学5年生と6年生年代。11歳から12歳までのカテゴリーです。7人制サッカー最後のカテゴリー。地域によってはアレビンから11人制サッカーに移行。

Infantil(インファンティル)

インファルティルは中学1年生と中学2年生年代。13歳から14歳までのカテゴリーです。11人制サッカー。

Cadete(カデーテ)

カデーテは中学3年生と高校1年生年代(スペインの場合、中学3年生と中学4年生)。15歳から16歳までのカテゴリーです。11人制サッカー。

Jubenil(フベニール)

フベニールは高校2年生から大学1年生(スペインの場合、高校1年生から大学1年生)。17歳から19歳までのカテゴリーです。フニベールだけは3年間。11人制サッカー。

スペインの学年区切りは日本とは違う

日本では一学年を誕生月が4月から翌年3月までと区切っていますが、スペインでは1月から12月までを一学年としています。

Rose
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スペインだと1月から3月生まれは日本の学年と違うから注意

スペインでは西暦での区切り方が普通で、学校の学年も同じ区切り方になります。

各カテゴリーのチーム構成

地域によって違いはありますが、カタルーニャ州などはプレベンハミンからアレビンまでは7人制サッカー、1チーム最大12人までと人数制限まで定めたルールがあります。

カタルーニャ州のルールで見た場合、各チームのキーパー枠は2人と決まっているので、残り10人がフィールドプレーヤーです。

また、監督は1チームに必ず1人居て、チームよっては監督とコーチ数人が居る場合があります。

Rose
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人数制限があるからトライアウトで良いチームに入るのが大変

インファンティルからは11人制のサッカーになるので、1チームの選手登録は最大20人までに増えます。

ただ、登録人数が増えるからといってもフィールドに立てるのは11人。

レギュラーを勝ち取るのも大変です。

 

どのクラブチームもインファンティルカテゴリー辺りから監督やコーチ以外に様々な専門スタッフがつき、サポート面でも充実してきます。

トップクラブともなれば、フィジカルコーチやメンタルトレーナーなど居ます。

この年代辺りからしっかりとしたサポートを受け、戦術や精神面など、より一層プロを意識したサッカーを目指していきます。

クラブチームによっては各カテゴリーで数チーム持っている

カタルーニャ州のクラブチームは各カテゴリーごとにAチームやBチームといった感じに数チーム持っているのが当たり前です。

カテゴリー内の分け方としては、Aチームは上の学年、Bチームは下の学年とクラブチームで構成が決まっていたりするのでわかりやすいです。

しかし、バルセロナなどのビッククラブともなると、ベンハミンやアレビンなどのカテゴリーではAチームからEチームまでありますし、大所帯のクラブチームは1カテゴリーにAからHチームまであったりと、チーム数が多いとチーム構成も複雑になってきます。

例えば、バルセロナのベンハミンカテゴリーのチーム構成はこんな感じです。

バルセロナのチーム構成
  • Aチーム(9歳の1軍)
  • Bチーム(9歳の2軍)
  • Cチーム(8歳の1軍)
  • Dチーム(8歳の2軍)
  • Eチーム(将来有望な7歳)

 

日本人の感覚からすると「とりあえずクラブチームに入ってAチームを目指せばいいんでしょ!」と考えちゃいますが、このクラブチームに入って上を目指す事自体がスペインでは大変な事になります。

気に入ったクラブチームを見つけたら、まずはトライアウト。トライアウトの結果次第で受かればチームが決まりますが、そのチームがAとは限らないです。

そして、かなり重要になってくるのが、獲得した選手はクラブ側すればシーズンを通してリーグ戦を戦う一員と考えているし、もちろん上のチームもリーグ戦を戦う人数を揃えてきますので、上を目指したくても空きが無いのが現状です。

スペインでサッカーの試合に出るためには必ず選手登録が必要
スペインではクラブチームに加入=選手登録となりますので、日本サッカーのようにとりあえずクラブチームに所属して公式戦に出場するから選手登録をする、といったシステムがありません。

 

育成年代のリーグ

スペインのサッカーは育成年代の小学1年生年代からシーズンを通してリーグ戦ができる環境が整っています。

かなり早い段階から勝ち負けにこだわって試合をし続けている点は日本人からすれば羨ましいかぎりですね。

カタルーニャ州のサッカーリーグ

バルセロナの下部組織も所属するカタルーニャ州のサッカーリーグは、プレベンハミンからリーグに所属するチーム同士で『ホーム・アンド・アウェー』の総当たり戦をシーズンを通してやっています

プレベンハミンだけは地域ごとに分かれたグループでリーグ戦をやりますが、ベンハミン以上のカテゴリーは各リーグで1部や2部、多いカテゴリーでは1部から4部までといったレベル分けまでされ、日ごろから競争の中でサッカーをしています。

例えば、ベンハミン1部で見た場合、グループ数は1から7グループに分かれていて、1グループに16チームが所属しています。

カテゴリー毎にグループ分けをし、さらに1部から4部までレベル分けをしているスペインのサッカー。

カタルーニャ州のベンハミンカテゴリーの1部だけで見ても100チーム以上が所属して争っているんですからすごいですよね。

リーグ戦の試合数

各カテゴリー、シーズンを通してリーグ戦をしていますが、リーグの登録チーム数によって違いがあっても年間試合数は40試合前後とかなり少ないです。

また、スペインではリーグ戦での試合が殆どで、日本とは違い練習試合は滅多にしません。

練習試合は年に数回程度。

 

試合は毎週末に組まれ、土日のどちらか1日に1試合しかしないチームが殆どです。

日本では土日のどちらも試合だったり、1日に数試合やったりしますが、スペインでは育成年代の体への負担を考慮したシステムとなっているようです。

Rose
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子供の成長期に無理させない環境は親としてはありがたいかも

スペインではシーズンを通してリーグ戦を戦い抜く事に重点を置いているので、試合直前のチーム練習は軽めのメニューで調整したりと、クラブチームはとにかくリーグ戦重視な考え方をします。

育成年代でも昇格と降格がある

年間試合数が少なくリーグ戦重視のスペインサッカーですが、リーグ戦を大事にしている理由がちゃんとありました。

それは、ベンハミンのカテゴリーからは各リーグで昇格と降格があるからです。

リーグ戦を年間40試合前後戦い、さらには1試合1試合の勝ち負けにこだわって昇格や降格、もしくは残留と、プロと変わらない環境で小学生年代からサッカーをやっているのだから驚きです。

Rose
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育成年代からプレッシャーの中でサッカーやってるんだね

スペインの育成年代の選手は常に競争の世界に居て、チームの看板を背負って生き残るためのサッカーをしている。

本当にすごい環境だと思います。

もちろん選手だけでなく、監督やコーチも自分自身の評価に繋がりますのでチーム作りから選手選び、戦術と、ありとあらゆる方法で勝ちにこだわったサッカーをしています。

スペインサッカーが強い秘訣は、選手や指導者が周囲から常に評価をされてサッカーをやっている

リーグ戦にはスカウトマンが結構来る

トップクラブとの試合にはスカウトマンが当たり前のように来るのがスペインサッカーです。

同じリーグにバルセロナなどのトップクラブが所属していれば必ずリーグ戦で戦いますし、1度や2度はスカウトマンに見てもらえるチャンスだってあります。

もちろんスカウトマンの目に留まるようなプレーが出来れば、次シーズンのステップアップに繋がりますし、選手としても名前が売れることだってあります。

どこで誰が見られているかわからない世界ですが、日々の競争で良いプレーを続けて行くためのモチベーションにも繋がっています。

まとめ

スペインサッカーは育成年代からリーグ戦を戦い、常に勝ち負けにこだわったサッカーをしています。

強豪国と呼ばれ続けるルーツは育成年代から良い環境が整っている、さらには選手だけでなく指導者もプレッシャーの中でサッカーをやっているからです。

日本にも良い部分はありますが、シーズンを通してリーグ戦を行う環境を日本の育成年代、とくに小学生低学年から取り入れて切磋琢磨できる環境を作って欲しいですね。

それではまた! Hasta pronto〜

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